看取るだけではない訪問診療(1):退院後に体力が回復した方々

訪問診療の対象となるのは

「自力での通院が困難な人」です。

訪問診療では

老衰や脳卒中後遺症、癌の終末期や神経難病の方々が

ご自宅で安全に穏やかに暮らせるよう

医療の側面からお支えします。

 

暮らしの延長線上で お看取りまで対応する場合もありますが

中には訪問診療を開始後に元気になる方もいらっしゃいます。

 

入院中に衰弱して寝たきり状態になった高齢者で

退院後 見事に回復した方々をご紹介します。

Tさん(87歳)は完全復活して訪問診療を卒業

重症肺炎の治療後で 退院時は要介護5。

低栄養(アルブミン2台)と足腰の筋力低下を認めました。

 

毎日エンシュアを飲んでいただいたところ

退院3ヶ月後よりアルブミンは4台に正常化し

自宅内を歩くようになったら

やがて近所にも一人で外出するまでに回復しました。

無事に外来通院を再開できるようになり

退院より1年弱で 訪問診療は卒業としました。

 

Nさん(95歳)は自宅での看取りを依頼され…

Nさんは歩行が困難になり 入院先の病院では食欲も低下し

自宅での看取りを希望され当院にご紹介をいただきました。

退院直後のアルブミンは1.6で 全身性の浮腫もみられました。

 

ご自宅の食事を召し上がるようになったら

めきめきと栄養状態が改善し 退院1年後のアルブミンは3.8。

まもなく退院2年を迎えます。

「私 病気したことないの」と満面の笑みをたたえるNさん。

はい、素敵です。いつまでもその笑みを守りたい。(院長 神部)

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