人工呼吸器(TPPV)は
様々な理由により 自力で十分に呼吸ができない時に
気管内に管を通して 空気を確実に肺に送り込み
体内に酸素を取り込んで 二酸化炭素を排出させるための装置です。
酸素吸入と鼻マスク式人工呼吸器(NPPV)の解説はこちら
目次
気管挿管でのTPPV:急性期治療(2週間以内)
救急の現場や手術室では
口から喉の奥(気管)まで管を挿入して呼吸器を装着します。
本人の意識があると とても苦しいので
多くは麻酔の薬で眠らせた状態にする必要があります。
短期間の呼吸器管理で すぐ自力での呼吸に戻れる場合は抜管されますが
2週間以上 呼吸器管理を要する場合は
気管切開の手術が必要となります。
気管切開下でのTPPV:長期(2週間以上)の呼吸器管理が必要な時
長期間の呼吸器管理を経て 重症肺炎等が治癒し
自力での呼吸に戻れる場合は やがて呼吸器を外すことができます。
しかし神経難病等で呼吸不全が改善する見込みのない場合は
半永久的に(心臓が止まるまで)呼吸器利用が継続されます。
神経難病等による呼吸不全では
呼吸器を装着後は自覚的に呼吸が楽になるため
意識をクリアに保ったまま
社会生活を送ることが可能です。(院長 神部)
(7月13日追記)補足記事、作成しました!
酸素吸入・人工呼吸器と気管切開の補足