かつて腫瘍内科で研修していた際 私は指導医に質問しました。
「こんなにいい人が
何でこんな若さで亡くならないといけないんだろうって
切なくなることはありませんか?」
G先生は穏やかに答えてくれました。
「末期癌なので 誰かが看取らないといけない。
自分が看取ってあげられてよかった と
思うことにしている」
在宅看取りの現場では
主治医として お一人お一人に対して相応の覚悟を決めたうえで
ご家族にも 覚悟を決めていただくための病状説明をします。
命のともしびが消えゆく過程を穏やかに過ごせるよう
ご本人とご家族をサポートし グリーフケアにも配慮します。
死別には大きな哀しみが伴いますが
ご家族の心の準備ができていると
穏やかな和やかなお看取りも可能となります。
そして「先生がいてくれてよかった」と
感謝のお言葉をいただけると
私にとっても救いとなります。
さらなる多死社会の中で 在宅看取りの需要も続きます。
医療者の燃え尽き症候群を予防し
持続可能な医療体制づくりが求められるなか
当院のお客さんが咲かせた花々には いつも癒やされます。
(院長 神部)