あおぞら富谷仙台では、
往診(訪問診療)の対象者を「患者さん」と呼ばないようにしています。
在宅では常に「患者」モードで生活しているわけではないので
「生活者」として接します。
◆病院は医療のための空間で、
医療を受ける人は自動的に患者と呼ばれます。
患者とは「病を患う者」であり、病気を中心にその人をみる見方ですね。
◆在宅は、病気を持ちながらも暮らす場です。
認知症の薬を飲んでいる方が
「認知症の患者さん」として生活しているわけでなく
多様な側面(夫の顔や祖父の役割等)も持って暮らしています。
また私たちは施設の入所者にも往診(訪問診療)にうかがいます。
施設職員が「ご利用者様」「ご入居者様」と呼んでいる方々を、
私たちが「患者さん」と呼ぶのには違和感を覚えます。
施設での訪問診療は、病棟回診とは異ならなければならないと
当院では職員に指導しています。
在宅(個人のお宅のみならず、施設でも)は暮らしの場であり、
病気以外の多様な側面にも十分配慮しながら
暮らし全体をみる必要があります。(院長 神部)