様々なご病状で 命のともしびが小さくなると
自然に飲食量も減少します。
ご自身で十分な栄養や水分を摂取できなくなったとき
多くは点滴を希望されますが
内臓の働きが全体的に低下する終末期では
1日500mlの水分でさえ 相対的に過剰になることがあります。
目次
終末期の点滴
例えば毎日1,000mlの点滴をして
心臓や腎臓がその水分を処理できる間は良いのですが
全身に浮腫が出現したり 胸水や腹水が貯留したり
ゼロゼロ痰がからむようでは ご本人の苦痛が増強します。
お体が処理できる水分量がどの程度か 見極めながら
例えば1回500mlの点滴を週3回程度やってみて
適宜 足したり引いたりの微調節を行います。
ご本人が点滴を希望されない場合は
点滴せずに見守ることもあります。
終末期の経管栄養
例えば 胃瘻などから経管栄養を継続していた方。
終末期になると 胃腸が消化吸収する働きも低下します。
それまで注入されていた栄養剤の量も 処理できなくなり
嘔吐・腹満・下痢等が出現します。
その場合は 栄養剤の量を半分以下にしたり
少量の水分と必要最小限の薬だけ注入したりして
お体が穏やかに過ごせるよう 配慮します。
ご家族の希望が強いとき
終末期と理解はしていても
ご家族の気持ちがついていかずに
点滴等を希望されることがあります。
その場合は
「いま お母さんのお体は 点滴を喜ぶ状態ではありません。
これ以上の点滴はしないほうが お母さんは楽に過ごせます。
お体に 保湿クリームを塗りながら
優しくマッサージするとか
別の形で親孝行ができるとよいですね」
(院長 神部)
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