末期がんに限らず
命のともしびが小さくなりゆく過程を見守る際には
ご家族に心の準備をしていただくための病状説明が不可欠です。
多くの場合「近しい家族をご自宅で看取る」経験は初めてで
不安に押し潰されては ご本人にとってもご家族にとっても
不幸な結果になってしまうからです。
当院では大事な説明は書面で残します。
ご家族が何度でも読み返せるように。
診察に同席していないご家族にもきちんと伝わるように。
訪問看護師さんやケアマネさんにも情報共有できるように。
現在のご病状を説明後
今後の想定される変化とその対策を具体的に示します。
トイレまで歩行できなくなった時の対処法。
痛みが強くなった時の対処法。
いよいよ心臓や呼吸の働きが低下した時に現れる症状も説明し
下顎呼吸も実演します。
「あらかじめ聞いていた説明どおりだったので
慌てずにみていられました」
「当初は具合が悪くなったら入院と思っていたけれど
皆様のおかげで最期まで自宅でみられました」
穏やかなお別れの後 ご家族の温かな表情がみられると
私自身も救われます。(院長 神部)