終活シリーズ最終回は
訪問看護と 制度(医療保険・介護保険)の概要につきご説明します。
様々な医療的ケアを受けながら 在宅で生活するには
訪問看護師さんが不可欠です。
訪問看護(以下、訪看)には 制度上の分類で以下の2種類があり
患者さんの年齢、病名・病状等によりどちらが適用されるか決まります。
目次
医療保険での訪看
介護保険の対象とならない65歳未満の方や
65歳以上であっても 末期の悪性腫瘍、重症の神経難病等の方々は
医療保険が適用されます。利用の限度額はありません。
介護保険での訪看
上記以外の方々は 原則として介護保険が優先されますが
一定の条件を満たして「特指示」を発行すると
1ヶ月のうち14日間を医療保険に切り替えることができます。
訪看をはじめとした介護保険サービスを利用する際
要介護度に応じて、1割負担で利用できる限度額が定められており
それを超過分は全額自己負担となります。
【例えば95歳で要介護2、老衰の終末期で毎日点滴希望の場合】
要介護2で毎日点滴のために訪看(介護保険)を利用すると
あっという間に1ヶ月の限度額をオーバーします。
ケアマネさんやご家族と相談しながら
「特指示」を発行して14日分を医療保険に切り替えたり
区分変更をかけたり 週3~4日の頻度に減らしたりして
なるべく限度額内におさまるよう努めます。
悩ましいのはグループホームの入所者です。
制度上、医療保険の訪看しか利用できないため
老衰等で飲食できない方々は
特指示期間が終了した残りの半月を どう乗り切ろうか?
いつも悩まされます。(院長 神部)
*補足します。
終末期に点滴は必須ではありませんが
完全に飲食できない場合は
お体が処理できる範囲内で うるおい程度の水分を
点滴して差し上げた方が お体は楽に過ごせます。
ご本人が明確に拒絶しているような場合は
あえて点滴するメリットはありません。