予後予測には 病状悪化の加速度を加味する。

残された命の時間を予測する際

直近1~3ヶ月の病状悪化の加速度が

今後1~3ヶ月後の病状悪化を予測するのに有用です。

適切な予後予測により

ご本人ご家族の心の準備を促すだけでなく

介護休暇等を含めた介護環境を構築し

「こんなに速いと思わなかった」の後悔を軽減させることができます。

末期癌の場合

緩和ケアで多用される予後予測のスコアは

現時点での全身状態を点数化するものですが。

例えば現時点で同じような全身状態であっても

直近1~3ヶ月の変化率(病状悪化の加速度)によって

今後の見通しが変わることもあります。

例えば今月の腫瘍マーカーが5,000だった場合で。

3ヶ月前から3,000台で ゆっくり上昇している場合は

今後もゆっくり進行すると想定できます。

一方で2ヶ月前 600 → 1ヶ月前 800 → 今月 5,000 に急上昇した場合は

癌の勢いが急激に悪化していると想定でき

今後の見通しも厳しめに見積もる必要があるでしょう。

もっとも病状が腫瘍マーカーに反映しないタイプもあるので

腫瘍マーカーがすべてではありません。

神経難病の場合

同様に神経難病でも 病状悪化の加速度には個人差があります。

同じ病名であっても 年単位で緩やかに進行する人もいれば

発症から数ヶ月でみるみる悪化して亡くなる人もいます。

筋力低下やADLの変化、肺活量の変化率を総合的に評価し

1~3ヶ月後の病状悪化を見越した説明と対策を講じます(院長 神部)。

「あとどのくらい生きられますか?」の質問に向き合う。

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