残薬を確認してから処方する

初回の訪問診療時に確認するポイントの1つが 処方薬です。

今までのお薬を見せてくださいと言うと

3ヶ月分以上の薬がごそっと出てくることもあります。

薬を見れば ご本人が処方薬を適切に内服できているか?

ご家族が薬の管理をどの程度手助けしてくれているか?

が一目で分かります。

服薬回数をシンプルに整理する

まずは服薬回数をできるだけシンプルにします。

毎食前、毎食後、就寝前なんて処方があると

1日7回の服薬回数となり お薬カレンダーにも入りません。

 

減薬はご本人ご家族の意向を確認しながら慎重に

前医で多くの種類のお薬を処方されている場合には

「こんなにたくさん飲むの 大変ではありませんか?」

と質問します。

「できる限り少なくしてほしい」とご希望がある場合は

優先順位の低い薬から 段階的に減らします。

「薬のおかげで調子がいいので 変えないでください」

と希望される場合は 不具合が出るまでは原則継続します。

 

高齢者におけるポリファーマシー1)が議論になることもありますが

「訪問診療が開始された途端に 馴染みの薬が減らされて不安だ」

「今まで信頼していた前医の先生を 否定されたようだ」

と感じられては その後の信頼関係の構築が難しくなるので

減薬は慎重に行います。

 

毎回残薬を確認してから処方する

診察の度に残薬を確認し 塗り薬、貼り薬、目薬等も

次の診察日まで足りるよう処方します。

残薬の量によっては

朝の薬を30日分、昼の薬を20日分、夕の薬を25日分

など分けて処方することもあります。

薬が余って 投げるようでは いたましい2) ので。(院長 神部)

1)ポリファーマシー:多剤併用により、予測不可能な有害事象を起こす可能性が高くなること。

2)「投げるようでは いたましい」:廃棄するようでは もったいない、の仙台弁です。

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