あおぞら富谷仙台の理念(1)でも触れましたが、
在宅療養の継続のためには、
介護者の負担感を軽減させることが不可欠です。
ここではその実践(ご家族編)につきご紹介します。
※介護者を支えるための実践(施設職員編)は、次回に。
目次
老老介護での介護地獄を避けるために。
90代の親を、70代の子が介護するのはよくある話。
最近では90代の要介護者を、
90代の配偶者が介護する例にも出会います。
「いま一番お困りなことは何ですか?」
「疲れはたまっていませんか?」「眠れていますか?」
診療対象のご本人のみならず、
介護者の心身の状態もきちんと把握します。
「俺は本当はデイサービスもショートステイも
行きたくないんだよ」というお父さんには、
「いつもご理解とご協力をいただきまして、
ありがとうございます」と私が頭を下げます。
「家で暮らしたい」というお父さんの希望を叶えるためには、
定期的にデイサービスやショートステイを利用していただき、
介護するご家族に心身リフレッシュしてもらう時間が必要であること、
そのほうが共倒れを予防し、結果的に家で長く暮らせることを、
お父さんご本人にもご理解いただく必要があるのです。
様々な介護サービスを利用してもなお、ご本人とご家族が、
自宅で安全に暮らしていくのが困難と判断される場合は、
生活場所の変更につき提案することもあります。
医療依存度の高い24時間介護の現場で、ご家族が燃え尽きないために。
痰の吸引が必要だったり、
人工呼吸器を装着していたりすると、
介護者は常に心身の緊張状態を強いられます。
訪問看護師やヘルパーさんと連携し、
また病院とも連携して定期的にレスパイト入院を確保しながら
「ひとりじゃないよ」「困りごとがあったらいつでも連絡して」
の体制を築きます。
訪問診療でお邪魔する時間は ほんのひとときですが、
お庭の花の話や、さもない雑談もしながら、
ご家族のホッとした笑顔がみられると安心します。(院長 神部)